月光条例 最終回

藤田先生、6年間の連載、お疲れ様でした。


掲載位置は最後から二番目、表紙での扱いも小さいですが、
良い最終回だったと思います。
月光が戻って来る場面が無いことを除けばですけど。
この辺はコミックでの加筆に期待するしかないのか。



さて、ここからは、月光条例の最終的な評価を書こうと思います。
正直なところ、名作とは言えないです。
うしおととら』『からくりサーカス』と比べたら、
だいぶ落ちるなあという感じですね。



まず、月打の設定からして、敵を倒したら全て元通りというのは、
連載当初から乗り切れなかったですね。
それでも、一話完結の時期は単発で面白い話もあり、まだ
良かった(ピノキオとわらしべ長者がお気に入り)



雲行きが怪しくなってくるのは、月光が何者なのかを
語り始めた辺りからです。
桃太郎編はともかく、アラビアンナイト編のグダグダっぷりは
酷かった。
図書委員、天道はともかく、花屋まで出す必要は無かったし、
説明セリフばかりで話のテンポが物凄く悪かった。
アラビアンナイト編だけで97話あるってどんだけ。
この章の唯一の救いは、センセイこと宮澤賢治の話でした。
チルチルを受け入れたセンセイの優しさには、心を打たれましたし、
自己犠牲精神にも感動しましたね。
こういう話を描かせると藤田先生は凄い。
ああ、自分は藤田作品のこういうところが好きなんだなあと
痛感しました。
後、エンゲキブより高勢露の方が可愛いと思いました。



この後、話はクライマックスを迎える訳ですが、
最後まであまり燃えなかったですね。
まとめ方は良かったと思います。
エンゲキブの正体、月からの敵、おとぎばなしの存在意義など、
伏線を消化し、巧く畳んだとは思います。
しかし、ラスボスのオオイミがあまりに小物過ぎました。
まず、エンゲキブとは別に愛人をこさえているのに
腹が立ったし、月光に対する嫉妬はギリギリ許容範囲としても
月光との戦いで既存の漫画、アニメの必殺技を使うのには、
ドン引きしました。
しかも、伏字じゃなくて、『ゴムゴムの銃』とかそのまんま。
ストレートに太陽パワー・オオイミVS月パワー・月光の対決で
良かったのに。
これは無いよ、藤田先生。



と、まあ、良い部分より悪い部分ばかりの感想になってしまいました。
次回作、あるのか?と失礼ながら心配になってしまいます。
藤田先生の読者はほとんどが前作、前々作からのリピーターだと
思うので、次は新しい読者を引き込むような
作品が見たいですね。
もちろん基本的な部分、藤田節はそのままで。



非常に長くなりましたが、そろそろ締めたいと思います。
藤田先生の漫画が読めて、
『オレたシアたワセだ』! たぬき