BOSS 感想 

メジャーリーグを舞台にした日本人GMの活躍を描いた物語。


出塁率を重視したスモールベースボール、合理性を重視したチーム編成、
主人公、高岡のやり方はそのまんま、ビーリービーンマネーボールです。
チームは、ニューヨーク・メッツですが。

アトランタ・ブレーブスのライバルGMウィーバーは、高岡と対照的に
ユーモアに富んだ名物爺さんでスカウトとしての眼も確か。
終わったと思われた日本人投手、藤本(モデルは野茂?)や
ガッツ溢れる外野手市川(モデルは田口?)の活躍は爽快でしたし、
勝つことだけでなく、試合を盛り上げようとする茶目っ気が
魅力的でした。

高岡のやり方も決して間違っていないのに、快進撃を続けていたチームが
感情的な問題で停滞していくところは、リアルでした。
ワンマン過ぎる高岡にも悪いところはありましたが、
選手の不満をコントロールできない監督の無能さには同情しました。

ウィーバーに諭され、高岡の変わる様が、ちゃんと描かれておらず、
人間ドラマが薄いのが残念でしたね。
ですが、野球小説としては、一級品の面白さでした。

BOSS (実業之日本社文庫)

BOSS (実業之日本社文庫)