砂上の剣 〜イーハの少年剣士〜 感想 ネタバレあり

砂上の剣―イーハの少年剣士 (メディアワークス文庫)

砂上の剣―イーハの少年剣士 (メディアワークス文庫)

メディアワークス文庫の作品を初めて読みました。
712Pの長編です。


『折れない剣』と呼ばれる最強の闘士
サウィードと戦うことを目指す
少年剣士ハールの挫折と成長を描いた物語。
舞台は闘技場を中心に栄えている架空の街、
イーハで魔法は一切出てこない剣のみの
リアルなファンタジーです。


こういう話だと大抵、主人公は奴隷で
復讐する相手がいるものですが、
そうではなく、純粋に剣士としての高みを
目指そうとするというのは珍しいですね。
『闘技場』というのも、現代でいう
競艇場』みたいなもので訓練生制度もあるので、
割りと人道的です。
なので、ファンタジー世界でスポ根を
やっているものだと思えば、分かりやすいと
思います。


712Pもかけただけあって、
丁寧なストーリー展開で少年の成長物語としては
良くできています。
でも、総じて、手堅い、無難なデキという
印象は否めないです。
後、伏線が消化し切れていないのと、
後半の展開が現実味が無く、マイナス。
個人的には最後までスポ根で読みたかったなあ。